共同研究

【2022年度共同研究班】地域防災における住民の主体的な情報発信・共有を促すデジタルドキュメンテーションシステムの構築

研究テーマ

研究の目的及び意義

2022年度 共同研究班
代表者 兵庫県立大学    曽和 具之 教授
構成員 神戸市看護大学 神原 咲子 教授
研究の目的及び意義

 

本研究は、平成24年度科学研究費助成事業基盤研究(C)における「ソーシャルネットワーキングシステムを活用したデジタルドキュメンテーションの開発(課題番号:24603032)」および、平成27年度基盤研究(C)「子どもの主体的な地域活動を支援するためのドキュメンテーションシステム開発*1(課題番号:15K00709)」において構築したドキュメンテーションシステムを用いて、地域コミュニティの形成過程における記録と情報共有に関するデータシステムを構築することを目的とする。
具体的には、地方都市町村が執り行う「防災リーダー養成研修」や「避難所運営ワークショップ」などに焦点を当て、①住民主体による地域防災活動における、住民間でのコミュニケーションの記録、②情報の可視化とデータベースの構築、③住民主体による情報の共有・発信を可能とするドキュメンテーションシステムを構築することを目的とする。
*1:科研データベースには、「子どもの主体的な地域活動を支援するためのドキュメンテーションスステム開発」と登録されている。
本研究の意義
近年、国内の地方都市町村においては、少子高齢化、人口減少、経済の衰退など、地域活動の遂行に大きな影響をおよぼす事象が多数見られる。また、大雨、台風、地震災害などの自然災害の多発により、住民間でのコミュニケーションをより充実させ、住民一人ひとりが地域についての認識を持ちながら、協同して地域社会を維持していかなければならない時代になっている。
以上の状況を踏まえ、国内の各都市町村では、住民が主体となって「共助・自助」の可能な地域社会を構築する活動が活発になっている。特に「地域防災」の分野では、防災マップの作成や、避難所運営ボランティアスタッフの育成、高齢者や障害を持つ人たちへの救助体制の検討など、行政と連携した「公助・共助・自助」を育むセミナーやワークショップが多数開催されている。
セミナーやワークショップを開催するに当たっては、行政や専門家からの一方的な教授だけではなく、住民からの積極的な意見や、行動に結びつけるための実地訓練が重要となる。そして、意見や体験から発生した情報は、一部の地域住民だけではなく、小学生から高齢者まで、幅広い住民層に向けて発信・共有されることが求められている。
研究代表者は、平成30年度より、高知県四万十町、岡山県真備町、兵庫県洲本市、兵庫県西播磨地区において、地域防災に関するセミナーやワークショップの記録を実施してきた。この中で、以下の問題が明らかとなった。
①多様で複雑な情報の記録
本研究の対象とする地域住民活動においては、年齢層や、社会的立場、問題に取り組む姿勢、地域への認識など、住民の置かれている状況は多種多様であり、発生する情報も多様で複雑になっている。このため、より多くの多様な意見をドキュメンテーションできる仕組みが必要となった。
住民の認識を向上させる情報の可視化とデータベース化
本研究では、複雑で多様な情報を住民が主体的に共有し、共通認識を持つことが求められており、「認識プロセスの可視化」および可視化された情報のデータベース化が必要となった。
住民が主体的に情報を発信・共有するためのシステム
地域防災についての情報は、広く住民に公開されること、常に最新の情報が提示されること、誰もが分かりやすく情報にアクセスできることが求められる。しかしながら現状では、ドキュメンテーションを行った地域において、セミナーやワークショップに参加した住民間では、十分な情報共有、体験共有がなされたものの、地域全体への発信・共有に至らないことが多かった。セミナーやワークショップにおいて発生した多種多様な情報を、住民が主体的に発信・共有することのできるシステムを構築し、共助・自助を促進させることが求められている。
研究実績・成果 研究中

 

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